日の出 及び 空亡
主な出身地:なし
鳥山石燕著『今昔画図続百鬼』の
最後や多くの鬼夜行絵巻の最後を飾るのがこの日の出である。
『今昔図画続百鬼 明』から引用する。
「夫妖は徳に勝ずといへり。
百期の闇夜に横行するは、佞人の闇主に媚びて時めくが如し。
太陽のぼりて万物を照せば、君子の時を得、明君の代にあへるがごとし」
日の出により多くの妖怪たちは退散するという。
百鬼夜行絵巻の最後に描かれている赤い火の玉は
「尊勝陀羅尼の吹いた火」
であるともいわれているが、
これは付喪神絵巻の延長上に百鬼夜行絵巻があるという考えからきているものである。
また絵巻の最後が火の玉がない、
もしくは火の玉ののちに黒雲によって終わっているものもある。
妖怪たちが恐れ逃げているのは日の出ではなく、
より力のある「何者」かなのかもしれない。