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2022年06月29日

とりあえず、舌長婆

0075舌長婆.png

舌長姥

主な出身地:岐阜あたり

三坂春編(みさかはるよし)著『老媼茶話(ろうおうさわ)』にある老婆の妖怪。

越後から武蔵
――現在の新潟県から東京都へ向かう二人の旅人が、
諏訪千本松原という所まで来たとき日が暮れ、
近くで一人暮らしをしている老婆の家に泊まらせてもらった。

一人はすぐ寝入り、もう一人は用心のため寝たふりをしていると、
老婆の舌が五尺ほどの長さに伸び、寝ている旅人の顔を舐め始めた。

薄気味悪く思っていると
「舌長姥、諏訪の朱の盆じゃ、捗らぬなら手伝ってやろう」
と声がし、戸を破り、顔の長さ六尺の赤い怪物が入ってきた。

旅人が刀で斬ると朱の盆は消え、
舌長姥は寝ている旅人を抱えて駆け出し、
途端に家が消えて野原が広がるばかり、
日が明けてから辺りを捜すと、そこには連れの骸骨が転がっていたという。
posted by 妖怪たま at 02:00 | Comment(0) | 妖怪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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