川蛍
主な出身地:千葉
『利根川図志』にある怪火で、
千葉県印旛沼に現れた火の玉で、陰火のため熱くはない。
「亡者の陰火」とも呼ばれる。
夏から秋の夜、特に雨が降る日によく出る。
蛍の火に似た光を放ち、蹴鞠ほどの大きさの火の玉で、
水上から一二尺ほどの高さを、ふらふらと飛び、
高く飛んだり低く飛んだり、数多く現れ集まったり離れたりを繰り返したりするという。
夜に印旛沼で量をすると、
舟の中に入ることもあり、船棹で叩くと砕け広がり、
一面火の海になるが、燃え移ることはないという。
自然に消えるが、油のようなものが舟につき、
生臭く、なかなか落ちないという。
狸や鼬の仕業ともいわれている。
同種の怪火に新潟県の「蓑虫」、
滋賀県の「蓑火」などがある。