
ぶら挑燈(ぶらてうちん)
森島中良著『画本纂怪興(えほんさんがいきょう)』にある妖怪。
国書刊行会刊『森島中良集』から解説を引用する。
「三囲の堤に出て、「待乳や待乳や」と呼。
其声、今戸・端場の辺まで聞ゆ。
世にいわゆる向嶋の化物とは異なり。
三めぐりの鳥居の辺をぶらぶらとぶらでうちんは酒のしよいなり 二盈隠居(にえいいんきょ)有負」
「三囲」は「東京都墨田区に在る三囲神社」の事で、
「今戸」は現在の東京都台東区、隅田川西岸あたりで、
「向嶋」は東京都墨田区、隅田川東岸あたり。
「待乳や」は台東区浅草に「まっちやま」という小丘があり、
それと「待って」を掛けたものだろう。
「送り提灯」のようなものか。