
砂撒き(すなまき)
砂を撒くという動物は全国に伝えられている。
新潟県大面村字矢田
――現在の三条市の翁坂には
「砂撒き鼬」
と呼ばれる鼬が居り、
後ろ足で砂を蹴って人に撒くといわれている。
青森県三戸郡五戸町には
「砂撒き狐」
という狐が出る坂があり、
夜に何か物を運んでそこを通ると砂を撒かれたといわれている。
青森県津軽地方や
新潟県、愛知県、福岡県では
「砂撒き狸」
と呼ばれ、夜道を歩いていると
砂を撒いたり降らしたりしてくるといわれ、
「砂降らし」とも呼ばれる。
佐渡に流された順徳上皇を訪れる忠子内親王
――二宮様とも呼ばれる――
の為に、道に砂を撒いて清めていたという信心深い狸が、
新潟県佐渡郡佐和田町
――現在の佐渡市の妙照寺にいたという。
「砂かけ婆」の正体を狸とする地方もある。