
笑い男(わらいおとこ)
高知県香美郡
――現在の香南市香我美町山北にあった
東光山に出たという妖怪。
月の一、九、十七日に山に入ると必ず
「笑い男」に遭遇するといわれており、
半死半生になるといわれている。
知行三百石の船奉行「樋口関太夫」が
農民の静止も聞かずに、
家来を連れて山へ猟に出かけた。
雉を追って山腹を往来すると、
一町先に少年のようなものが関太夫を指差して笑っていた。
次第に声は大きくなり、
周りの木々や草々も笑っているように聞こえるようになり、
恐れから逃げ出したが、
その笑い声は麓まで聞こえた。
農民が捜しに来て何とか帰宅できたが、
それから関太夫が病死するまで耳の奥に笑い声が残っていたといわれ、
「笑い男」を思い出すと
耳の側で鉄砲が破裂するような音が聞こえたという。
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