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2011年05月12日

とりあえず、猪口暮露

chokuboronn.jpg

猪口暮露(ちょくぼろん)

鳥山石燕著『画図百器徒然袋』に、
猪口を深編笠のように被り、
尺八を吹く虚無僧のような小人が幾人も描かれている。

「明皇あるとき書を見給ふに、
 御机の上に小童あらはる。
 明皇叱したまへば、
 臣はこれ墨の精なりと奏してきへうせけるよし。」
と記されているが、これは中国の逸話である。

猪口は酒を飲むときに使う小さな杯のことで、
暮露
――梵論とも書く――とは所謂、
禅宗の托鉢僧
――虚無僧ともいわれる――のことである。

これらを組み合わせて石燕が創作した妖怪であるといわれている。

暮露と虚無僧はもともとは別のものだといわれているが
「暮露暮露団」の頁で
「普化禅宗を虚無僧と言ふ。」
と記してあることから、
同じものと考えられていた時期があったかのかもしれない。

posted by 妖怪たま at 02:00 | Comment(0) | 妖怪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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