
経凛々(きょうりんりん)
鳥山石燕著『画図百器徒然袋』に描かれている経典の付喪神。
「尊ふとき経文のかゝるありさまは、
呪詛諸毒薬のかえつてその人に帰せし
守敏僧都(しゅびんそうづ)のよみ捨てられし経文にやと、
夢ごゝろにおもひぬ。」
と記されている。
京都西寺の僧で祈祷師として有名だった守敏僧都が、
空海と法力比べをして敗れた
という話が『太平記』にあり、
そこから石燕は経凛々を創作したといわれている。
水木しげる著『図説日本妖怪大鑑』には、
疫病にかかった者が法華経を一心に読誦(どくじゅ)した結果、
両親共に経凛々が救ってくれたという話が載っているが、
所持するその他の資料では同様の記述は見当たらなかった。
【妖怪の最新記事】