
鉄鼠(てっそ)
鳥山石燕著『画図百鬼夜行』に
「頼豪の霊鼠と化と、世にしる所也」
とある大鼠の妖怪。
頼豪は三井寺の僧で、
白河天皇の皇子誕生のために祈祷を行い、
その褒美に戒壇建立を願った。
この時代、
山門比叡山延暦寺と
寺門三井寺は対立しており、
無事皇子が産まれたのだが、
延暦寺を恐れた白河天皇は約束を破った。
頼豪は怒り、断食の行をし、
皇子を魔道に道連れにして共に死に、
その霊魂は大鼠となり、
無数の鼠を引き連れ、
比叡山の経典を食い破った。
延暦寺は怨霊を沈めるために、
東坂本に頼豪を祀り、
その社は鼠の秀倉(ひでくら)と呼ばれる。
栃木県の伝説では、
頼豪は延暦寺を襲った後に諸国にまで害を及ぼしたが、
現在の栃木県小山市土塔で勝軍地蔵に封じられ、
そこは
「来鼠塚(らいそづか)」
と呼ばれ、現在もあるという。
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