
足長手長(あしながてなが)
『和漢三才図会』によると
足長国には足長が、
手長国には手長がおり、
いつも足長が手長を背負い、
海で魚を獲っているという。
足長の足は二丈もあるといい、
手長の手も同じくらいの長さがあるという。
また、手長と足長は夫婦だともいわれている。
秋田県や山形県に伝わる足長手長は鳥海山に棲み、
里に下りてきては悪さをしていたという。
見かねた大物忌神(おおものいみのかみ)が
三本足の霊鳥を遣わして、
鬼が出たら有や、
出なければ無やと鳴くようにしたといい、
そこから鳥海山の三崎峠は
有耶無耶の関
と呼ばれるようになった。
後に慈覚大師が噂を聞き、
吹浦で百日祈ったところ、
大音響と共に鳥海山が吹き飛んで
足長手長は姿を消したといわれている。