参考文献はこちら

2010年05月25日

とりあえず、日の出 -妖怪百鬼夜行進 終-

hinode.jpg

日の出

鳥山石燕著『今昔画図続百鬼』の最後や
多くの鬼夜行絵巻の最後を飾るのがこの日の出である。

『今昔図画続百鬼 明』から引用する。

「夫妖は徳に勝ずといへり。
 百期の闇夜に横行するは、佞人の闇主に媚びて時めくが如し。
 太陽のぼりて万物を照せば、君子の時を得、明君の代にあへるがごとし」

日の出により多くの妖怪たちは退散するという。

百鬼夜行絵巻の最後に描かれている赤い火の玉は
「尊勝陀羅尼の吹いた火」であるともいわれているが、
これは付喪神絵巻の延長上に
百鬼夜行絵巻があるという考えからきているものである。

また絵巻の最後が火の玉がない、
もしくは火の玉ののちに黒雲によって終わっているものもある。

妖怪たちが恐れ逃げているのは日の出ではなく、
より力のある「何者」かなのかもしれない。


――ここから妖怪「空亡」について――

ちなみに「空亡」という妖怪であるという解釈もあります。
自分が調べた限りでは『大神繪草子 絆 大神設定画集』にて
そのようにみえる記述がある他は見当たりませんでした。
この画集で常闇ノ皇の設定画のところにて
「常闇ノ皇という名前ですが、デザインしたときは空亡という名前でした。
 実際にいた妖怪です。
 真珠庵の妖怪絵巻で最後に登場して、全ての妖怪を踏み潰すという、まさに最強の妖怪。
 さらに空亡は干支で0番という番号があり、
 デザインも○をテーマにした、大神最強にふさわしい敵だと思ったのです」
という記述がありますが、
「空亡という名前の妖怪が実在した」
とも
「設定上の名前は空亡で、このモデルの妖怪は実在し、名前は干支からとった」
とも読み取れました。
百鬼夜行絵巻の最後の火の玉が空亡という名前の妖怪という記述が
他の書物や研究、ゲームや漫画などにも見当たらないのなら、
ここから「空亡」という名前をもつ妖怪が生まれたのではないかと思います。

―― 終 ――

百鬼夜行進1-100.jpg

かなりでかい(5000x1350)ので閲覧注意。



posted by 妖怪たま at 02:00 | Comment(6) | 妖怪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後の日の出が、実は妖怪だったとしたら何だかワクワクしますね

>もしくは火の玉ののちに黒雲によって終わっているものもある。
火の玉の後ろに黒雲がある図なんてあるんですか?
Posted by at 2010年08月25日 15:12
いらっしゃいませ。

>>もしくは火の玉ののちに黒雲によって終わっているものもある。
>火の玉の後ろに黒雲がある図なんてあるんですか?
この記事を書く際に

 集英社新書ヴィジュアル版 『百鬼夜行絵巻の謎』
 著:小松和彦
 ISBN:9784087204728



 『図説百鬼夜行絵巻をよむ』
 著:田中貴子
   花田清輝
   澁澤龍彦
   小松和彦
 ISBN:9784309761039

を参考にさせていただきました。
それらに載っている「東博模本」が
火の玉の後に黒雲というか、化け物の影というか
闇が迫ってくるような感じで終わっています。

「百鬼夜行絵巻の謎」を主に参考にしたために
黒雲だと決め付けて書いてしまいました。
黒煙、化け物の影、の方がぴったりだったかもしれません。




Posted by 妖怪たま at 2010年08月25日 23:22
レスありがとうございます
百鬼ノ図と真珠庵との巻末を、合わせたような絵巻があるんですね
火の玉の後ろに怪物というと、
黒雲の怪物だけでなく、火の玉そのものが神聖とは真逆の
存在のように思えますね。それこそ大神における常闇ノ皇のような
妖怪の親玉が、妖怪を率いると同時に脅かしてさえいる図・・・
素敵ですw
Posted by at 2010年08月27日 01:10
去年のものにコメント失礼。
最後の絵の名前を見ようとしたら絵で潰れていて見えな買ったのが悔やまれます。
どこで手に入れた絵かおわかりでしたら教えていただきたい。
あるいはもし、あなたなりの百鬼夜行の順番付けなどがありましたらしたためて頂けるとありがたいです。
私は、上の人に対する返信に書いてあった本を読んで学習してきます。
それでは。
Posted by at 2011年12月31日 08:45
コメントありがとうごさいます。

>>最後の絵の名前を見ようとしたら絵で潰れていて見えな買ったのが悔やまれます。
>>どこで手に入れた絵かおわかりでしたら教えていただきたい。

最後の絵とはこのコメントをいただいた「とりあえず、日の出 -妖怪百鬼夜行進 終-」のイラストのことでしょうか?
こちらのイラストの名前でしたらそのまま「日の出」です。
こちらのブログにアップしてあるイラストは妖怪辞典の表紙などを抜かして、全て妖怪たまが描いたものです。
もし見当違いの回答でしたら申し訳ありません。


>>あるいはもし、あなたなりの百鬼夜行の順番付けなどがありましたらしたためて頂けるとありがたいです。

百鬼夜行となっていますが、適当に妖怪が並んでいるだけで、最後以外は特に順番付けはありません。
基本は「図説日本妖怪大全」「図説日本妖怪大鑑」「日本妖怪大辞典」などを適当に開き、開かれたページの妖怪を適当に選ぶ形で並べました。
妖怪は自由という意味と、偶然の出会いも縁ということで、このような形になりました。
七不思議や関連のある妖怪たちは出来れば続けありますが、知識が十分でないためバラバラの順番になることも多々あります。


ここから自分なりの各百鬼夜行の順番付けに関する解説のようなものを書かせてもらいます。
長文となりますがご了承ください。

「妖怪百鬼夜行進」は最初の最初なので好きな妖怪である「座敷童子」から始まり、次に関連があり有名である「河童」、百物語が始まりそうなので「青行燈」と続けました。
最後は百鬼夜行絵巻のお約束「日の出」で終わらせるのはある程度決めていました。
日の出の前は妖怪の代表として総大将「ぬらりひょん」大魔王の二人「山ン本五郎左衛門」「神ン野悪五郎」が並びました。

「萃」は完全無計画でした。
某有名同人シューティングゲームに出てくる酒呑童子が「萃」でしたので、そのイメージの影響から最後が「酒呑童子」になりました。
ちなみに私はこのシューティングは少し体験版に触った程度です。
最後が「酒呑童子」で「萃」なので終わり十ほどは鬼があつまっています。

次の「舞」も終わりも考えずに進みましたが、途中で「件」を書こうとした際、件の予言を打ち砕きたいと思いました。
そのため最後に「件」そして神獣である「麒麟」と続けました。

「夢」は最後はまだ書いていない妖怪の総大将の一人「見越入道」にしようとある程度決めていました。

「願」は「白澤」「クタ部」「神社姫」を描いて災厄を打ち払うという願いを込めてから続けました。
最後は日本再生という意味で「大太法師」がやってきました。

「希」は途中神様が続くこと、百鬼夜行を書くのは最後かもしれないという気持ち、「希望」の「希」から、最後に縁起物の最高峰「福の神」で閉めました。

「化」は妖怪の基本「化かす」という意味合いから狸と狐で始まりました。
終わりは今まで以上に未定です。

以上各百鬼夜行の順番付けについての解説でした。






Posted by 妖怪たま at 2012年01月02日 03:31
本を読んですぐに思い至り過去ログを拝見させていただきました。
作者様、これは失敬を働いてしまいました。
ゆっくり噛みしめながら読み解いて行きたいと思います。
無言にして雄弁な返答、ありがとうございました。
Posted by at 2012年01月07日 05:32
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