
人形峠の蜘蛛(にんぎょうとうげのくも)
主な出身地:岡山と鳥取の境にある人形峠
鳥取県東伯郡三朝町木地山と岡山県苫田軍鏡野町上齋原の境にある人形峠に出たという蜘蛛の化物。
出現値は正確には現在の人形峠の西側にある人形仙(人形山)だが、かつてはこちらも人形峠と呼ばれることがあり、妖怪の名も「人形峠の蜘蛛」と称されるのが一般的。その内容は次のように語らえる。
ある時、人形峠の峠道で男の死体が見つかった。男は異様な糸で体を縛られ、喉笛を噛み切られていた。(中略)木地師の古老が男装の人形を囮にとして峠に置くことを提案した。(中略)鳥追い姿の女が現れて「私の代わりに三味線を弾いてくださいな」などと声をかけた。しかし相手が応答しないことに腹を立て、女は口から糸を吐いて人形を縛り、その喉笛にくらいついた。若者たちが弓矢で怪女を射止めたところ、その正体は土蜘蛛だと判明したという。(鷲見貞夫編『因伯昔ばなし100選』)
このように人形で事件を解決したため、峠は人形仙または人形峠と呼ばれるようになったと説明される。
(中略)
また人形峠に出たのは人を化かす狐で、人形遣いとの化け比べに負けて降参したとも伝わる。(太田忠久・水藤春夫『岡山の伝説』)
(日本怪異妖怪事典 中国(笠間書院) より引用)
人形峠に伝わる伝承は他にも「蜂王」「人形峠の化物」「人形峠の霊」などがある
posted by 妖怪たま at 00:00
|
Comment(0)
|
妖怪
|

|