
岩魚坊主(いわなぼうず)
主な出身地:岐阜、福岡、東京など
岐阜や福岡、東京の伝承に登場する妖怪。
毒もみ
――山椒の皮汁などの毒物を流して魚を痺れさせて、浮かんできたのを獲る漁法――
で魚を獲ろうと話しながら昼飯を取っていると、
そこに坊主が現れて殺生はいけないと説いてくる。
体よくあいさつをして帰らせようとしても去らないので、
団子や飯、汁を与えると貪るように食べて、やっとのことで帰っていった。
忠告を無視して毒もみをし、大量の魚が浮かんできた中に、
六尺あまりの岩魚がいた。
その腹の中には先ほどの坊主に与えた団子や飯がそのまま残っていたという。
岩魚以外にも山女や鰻などが坊主に化けて出てくるということもあるが、基本は同じである。