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2025年02月28日

とりあえず、ぬるぬる坊主

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ぬるぬる坊主(ぬるぬるぼうず)

主な出身地:鳥取

鳥取県米子近くの海岸に出たという海坊主で
「ぬるぬる坊主」
という名前は水木しげるが付けたもののようだと、
村上健司編水木しげる画『日本妖怪大事典』にある。

力自慢の男が夜遅く海岸を歩いていると、
水面から一間の高さで光るものがあり近づいてくる。

それは一つ目で胴回りが二尺ほどの杭のようなもので、
陸に上がるともたれ掛かってくるので、組み付くが、体がぬるぬるしてうまく倒せない。

次第に相手も疲れてきて、
なんとか押し倒すことが出来、家の門口の柿の木に括りつけた。

翌日騒ぎになったが、
村の老人がこれは海坊主で体が痒いからもたれ掛かってきたのだろうと言ったという。

水木しげる著『図説日本妖怪大全』では二つの目のようなものを持っているとされている。
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とりあえず、二恨坊の火

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二恨坊の火(にこんぼうのひ)

主な出身地:大阪

摂津高槻二階堂村
――現在の大阪府茨木市二階堂に伝わる、
三月から六七月ごろに現れるといわれている怪火で、
不気味だが害はないという。

大きさは一尺ほどで家の棟や木の枝に止まり、
目撃者が多くなると恥ずかしそうにどこかへ飛んでいってしまう。

ある山伏が二つの恨みを持ていたので「二恨坊」と呼ばれ、
死んだのち邪心が火の玉となった説や、美男の僧「仁光坊」が代官の妻の策略により殺され、
恨みで火の玉になったという説、
ある村長の妻の病を祈祷で治した「日光坊」が村長の言いがかりで殺され、
恨みから火の玉になり毎日のように家の棟に現れ村長を呪い殺したという説などがある。
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2025年02月27日

とりあえず、嘗女

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嘗女(なめおんな)

主な出身地:徳島

阿波のとある富豪の娘は大層美しかったが婿の貰い手がなかった。

彼女は相手の全身を舌で嘗め回すという癖を持っていたので、
そのせいで縁談も流れていたのだが、ある男がそれでも構わないと婿養子に入った。

娘はその婿の顔から足先まで余すことなく嘗め回し、
その舌は猫のようにざらざらしていた。

ここまでとは思っていなかった男は、
あまりの気持ち悪さにすぐ逃げ帰ったという。

水木しげる著『図説日本妖怪大鑑』には
「たくさん無茶苦茶になめるのは妖怪というわけだろう」
と書いてあることから、
普通の人間も限度を超えてしまうことをしてしまえば、
妖怪になってしまうということだろう。

舌がざらざらしていることから、
猫娘とも呼ぶこともあるという。
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とりあえず、百々目鬼

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百々目鬼(どどめき)

主な出身地:不明

鳥山石燕著『今昔画図続百鬼』に振袖の袖をめくり、
たくさんの目がついた手を見せている女の姿が描かれている。

ある女が生まれながら手が長く手癖が悪く、常に銭を人から盗っており、
その盗んだ銭がたちまち手にくっつき、それが目になったという。

穴がある銭を鳥の目に似ていることから
鳥目(ちょうもく)と呼ぶことがあるのが関係しているという。

女は銭の化身ともいわれており、銭が欲しいから盗むのではなく、
銭の気が彼女を引き寄せるために盗ってしまうともいわれている。
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2025年02月26日

とりあえず、手の目

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手の目(てのめ)

主な出身地:不明

鳥山石燕著『画図百鬼夜行』に載っている妖怪で、
座頭の姿で、顔に目はなく掌に目がついる。

解説はないが
怪談集『諸国百物語』巻三「ばけ物に骨をぬかれし人の事」に、
京都七条河原の墓所に肝試しにきた若者が、手に目が一つの八十程の老人に、
前歯を牙のようにむき出しにして、追いかけられたという話が載っている。

若者は近くの寺に匿ってもらい、
長持ちの中に隠れたが、化物はその長持ちの前で骨をしゃぶるような音を立て消えた。

僧が長持ちを開けてみると、そこには骨が抜かれ皮だけになった若者が入っていたという。

水木しげる著『図説日本妖怪大全』には、
すすき原で盗賊に殺された盲人が、彷徨い出て、
手探りで仇を探しているうちに、掌に目が開いた妖怪であると紹介されている。
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とりあえず、土転び

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土転び(つちころび)

主な出身地:中部地方他

中部地方の峠に良く出たという妖怪で、
藁打ち槌のような姿で転がってくる。

驚いて慌てて逃げると、
それは先に転がり落ち下で待ち構えている。

気味が悪く思い避けて通ると道に迷ってしまうというが、
害のないものなので慌てず逃げないでいるか、
そのまま通り過ぎれば何もしないという。

峠の神様であるともいわれ、
旅人を守るものだといわれている。

「槌転び」と呼ばれる妖怪もいる。

槌のような蛇が足元に転がり落ちてきて足に噛み付くという。

「小豆洗い」の正体ともいわれている。
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2025年02月25日

とりあえず、提灯火

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提灯火(ちょうちんび)

主な出身地:不明

鳥山石燕著『今昔画図続百鬼』に陰のような姿の、
狐のような獣の尾の先に、火が灯っている姿で描かれている。

「田舎などに提灯火とて畦道に火のもゆる事あり。名にしおふ夜の殿の下部のもてる提灯にや。」
と記されている。

田舎の畦道に火が浮かぶことがあり、
遠くから見るとまるで提灯のように見えることから
「提灯火」
と呼ばれている。

この怪火は狐狸の仕業だといわれている。

狐が灯す火は「狐火」と呼ばれているが、
徳島県三好郡では狸の仕業だとされており「狸火」と呼ぶという。
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とりあえず、畳叩き

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畳叩き(たたみたたき)

主な出身地:高知、和歌山、広島、山口

高知や和歌山、広島、山口に伝わる
別名バタバタとも呼ばれる音の怪異で、
狸の仕業とも、石の精の仕業ともいわれている。

広島では冬の夜、
それも北風が吹き出す頃にこの音が聞こえることが多いといい、
その地域にはバタバタ石と呼ばれる石があるという。

ある男が石から小人のようなものが出てきて音を出すところを見たので、
捕まえようとするが石の中へ隠れてしまった。

その石を家に持ち帰ったところ、
顔に石と同じくらいの痣が出来、
石の祟りと思った男は石を元の場所に戻したところ、
痣は消えたという。

また、『筆のすさび』という書に、
屋根の上や庭で音がするので正体を確かめようとしたが、
七八間に渡って音が聞こえることがわかっただけで、
正体はわからなかったという話もある。
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2025年02月24日

とりあえず、袖もぎ様

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袖もぎ様(そでもぎさま)

主な出身地:四国、中国地方

中国、四国地方に伝わる民間神で、
祀られているところより
「袖もぎ橋」
「袖もぎ川」
などの特定の場所に存在することが多い神である。

袖もぎ様のいる所は祠などは特にないが、
もしその場所で転んだ場合は片袖を取って捨てなければいけないとされる。

もし捨てなかった場合、
災難に見舞われるといわれており、
捨てずに家に帰ってしまうと死んでしまうと伝えられている地方もある。

死者が三途の川を渡るときに奪衣婆に片袖を与えることから、
袖もぎ様は死霊信仰と関係があるのではないかといわれている。

香川県三豊郡
――現在の三豊市では「木折り神」とも呼ばれ、
枝を折って手向けたといわれており、
岡山県邑久郡
――現在の瀬戸内市では草履を供えたといわれている。
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とりあえず、洗濯狐

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洗濯狐(せんたくぎつね)

主な出身地:静岡

静岡県引佐郡麁玉村
――現在の浜松市北区に伝わる妖狐。

「小豆洗い」の類で、夜になると、平釜川で選択するような音を立てるといわれている。

岡山県赤磐郡
――現在の岡山市に
「小豆洗い狐」
という、小豆を洗う音を立てる妖狐がいる。

川で洗濯の様な音や小豆を洗うような音を立てる妖怪は、
多くの地域で狐狸の類の仕業とされる。
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2025年02月23日

とりあえず、鈴彦姫

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鈴彦姫(すずひこひめ)

主な出身地:不明

鈴は神霊を下ろすときに使う祭具であり、
その鈴が付喪神になったものが「鈴彦姫」であるといわれている。

鳥山石燕著『画図百器徒然袋』には頭部が鈴になった女の姿で描かれ、
「かくれし神を出し奉んとて岩戸のまへにて神楽を奏し給ひし天鈿女(あまのうずめ)のいにしへもこひしく、夢心におもひぬ。」
と記されている。

天鈿女(あめのうずめ)は天照大神が天岩戸に隠れ光が失われた際に、
舞を踊り、天照を外へ引っ張り出した功労者の一人である。

その二つの話を知る石燕が、
天鈿女と鈴を組み合わせて創作した妖怪であるといわれている。

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とりあえず、蛇帯

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蛇帯(じゃたい)

主な出身地:不明

鳥山石燕著『今昔百鬼拾遺』に
「博物志に云、「人帯を藉て眠れば蛇を夢む」と云々。
 されば妬る女の三重の帯は、七重にまはる毒蛇ともなりぬべし。
 おもへどもへだつる人やかきならん身はくちなはのいふかひもなし」
と記されている。

『博物志』は晋の張華の撰で、
日本でも和刻本で読まれ、
愛媛県にも枕元に帯を置いて寝と蛇の夢を見るという俗信があると、
鳥山石燕著『画図百鬼夜行』の国書刊行会の解説にある。

女の嫉妬心は邪心といわれ、
嫉妬から蛇に化する話が多く伝わっており、
身に付ける帯もになるといわれている。

蛇帯は毒蛇であり、
持ち主の意思とは関係なく自らの意思で行動するという。
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2025年02月22日

とりあえず、皿数え

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皿数え(さらかぞえ)

主な出身地:江戸ほか

『皿屋敷』に描かれるように、
陰火を伴い皿を数える怪異を「皿数え」という。

『皿屋敷』はお菊という亡霊が現れ皿を数え、
一枚足りないとすすり泣くという怪談である。

各地にある話だが、姫路の『播州皿屋敷』と江戸の『番町皿屋敷』が有名である。

鳥山石燕著『今昔画図続百鬼』には、
井戸から火が出ており、それが数えるのか、
幾枚かの皿を伴っている姿で描かれている。

怪談を簡単に説明すれば、
お菊が主人の秘蔵の十枚揃えの皿を一枚割ってしまい、
それにより手討ち、もしくは自ら命を絶つ。

その後亡霊となり、足りない皿を数え、
それが原因で主家が衰退していくという物語である。

戯曲や落語など様々に展開されている。
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とりあえず、小玉鼠

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小玉鼠(こだまねずみ)

主な出身地:秋田県

秋田県北秋田郡に伝わる怪異。

真ん丸な二十日鼠のような姿をした妖怪で、
背中から裂けてポンッと破裂するという。

小玉鼠が現れるときは山の神の機嫌が悪い証で、
破裂する音を聞くとその日一日は獲物が全く獲れなくなってしまうとか、
雪崩に遭うなどといわれている。

小玉鼠はマタギが鼠になった姿ともいわれており、
「小玉流」
という流派のマタギが山の神の罰を受けた姿ともいわれている。

実在の動物である「ヤマメ」の別称も「小玉鼠」と呼ぶが、
冬眠中のヤマメを掘り起こしてしまった猟師が、
その罪悪感から祟りがあるのではと考え
「小玉鼠」
の伝承が生まれたという説もある。
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2025年02月21日

とりあえず、血塊

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血塊(けっかい)

主な出身地:埼玉、神奈川、長野

埼玉県、神奈川県、長野県に伝わる妖怪で、
毛むくじゃらの姿で口鼻が牛に似ているといわれ、
出産時に現れるといわれている。

長野県では「ケッケ」と呼ばれる。

出産のときに縁の下へ潜ったりや囲炉裏の自在鉤を登ったりするとするといわれているが、
そうなると産婦の命が危うくなるといわれる。

そのため埼玉県浦和市
――現在のさいたま市では出産時には
縁の下に屏風を巡らせ、入れないようにするという。

神奈川県足柄上郡三保村玄倉村
――現在の山北町では自在鉤に登った血塊を叩く為の
杓文字をつけておくという。
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とりあえず、首かじり

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首かじり(くびかじり)

主な出身地:不明

佐藤有文著『日本妖怪図鑑』にある妖怪で、
秋の彼岸頃に現れるという。

首なしの状態で埋められた者の幽霊が首かじりとなり、
他者の墓を掘り返して死者の首を喰らうといわれている。

また生前に飢えた老人や旅人に食べ物を与えなず、その者が餓死すると、
それらが首かじりとなり、与えなかった者が死んだ後、
墓を掘り返し、生前の恨みを晴らすように首を食うともいわれている。
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2025年02月20日

とりあえず、木の子

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木の子(きのこ)

主な出身地:兵庫、奈良、他山中

三四歳くらいの子供の姿をした妖怪で、
山中におり、木の葉を服のように身に纏っているといわれているが、
実際の姿は影のようであり、はっきりと見たものはいないようだ。

河童や山童の仲間だともいわれている。

山仕事をしている者はたびたび姿を見たといい、
時には昼食を取られることもあったという。

兵庫県では追い払うときは棒を振り回せば良いと伝えられている。

奈良県吉野辺りにでる木の子は青い衣を着ていることもあるといわれている。
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とりあえず、カイナデ

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カイナデ

主な出身地:京都

京都府に伝わる妖怪で「カイナゼ」とも呼ばれる。

節分の夜に便所に入ると、
尻を撫でてくるといわれており、
それを避けるには
「赤い紙やろうか白い紙やろうか」
と唱えると良いとされる。

厠の神を祀る風習が次第に妖怪化してきて
「カイナデ」
が生まれたといわれている。

学校の怪談で、
トイレに入ると尻を撫でられたりするのは、
この「カイナデ」が元になっているといわれている。

物事の表面だけなでて、奥深いことを知らないことを
「掻い撫で」
と言うが、これが名前の由来ではないかと村上健司著『妖怪事典』にある。

同様の妖怪に島根県に伝わる
「カラサデ婆」
「カラサデ爺」
がいる。
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2025年02月19日

とりあえず、応声虫

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応声虫

主な出身地:全国

『斎詣俗談』『塩尻』『新著聞集』『閑田次筆』などにある怪虫で奇病。

元禄十六年京都の屏風屋の七左衛門の息子長三郎が高熱を出し、
腹に奇妙な出来物が出来た。

それは人の口のようで、長三郎が話すと同じように言葉を発し、
食べ物も食べるが、食べ過ぎないよう控えると、高熱を出し、罵詈雑言を叫ぶ。

名医と名高い管玄際に診てもらうと、
それは応声虫であると診察し、様々な薬を飲ませた。

特に嫌がる薬、五六種類を調合して腹の口に飲ませると、
たちまち声が枯れ、二三日で尻から、
一本の角を持つ一尺一寸ほどのトカゲのような虫が出てきたので、叩き殺した。

それから四ヶ月ほどで長三郎は元気になったという。
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とりあえず、エギリ鳥

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エギリ鳥(えぎりどり)

主な出身地:沖縄

沖縄県石垣島に伝わる、
夜に飛ぶ怪鳥。

「エギリ鳥」が上空を通過した所は
疫病が流行るといわれている。
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