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2025年01月31日

とりあえず、管狐

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管狐(くだぎつね)

主な出身地:中部、関東、東北

長野県を中心とした中部に多く、
関東地方南部、東北地方の一部、東海地方に伝わる憑物の一種で、
鼬と鼠の中間くらいの大きさ、
竹筒に入る程の大きさ、
マッチ箱程の大きさともいわれる。

人だけではなく家にも憑くといわれ、
家に憑いた場合多くは
「管狐を飼う」
といい、管狐が他家からいろいろと盗ってくるために裕福になるが、
大食いであり、七十五匹に増えるともいわれているため、
いずれは食いつぶされるという。

管狐を使う人を
「管使い」
「管屋」
という。

元々は山伏が使う動物だったといわれ、
人の心を読んだり、
人に憑かせて病にしたりしたという。

ただ扱いは難しく、
一度管から抜けた管狐を再び元に戻すのは大変だといわれる。

飼い主が死んだ管は東京都北区王子に棲むといわれ、
命令がなくなるので憑かなくなるという。
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とりあえず、狂骨

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狂骨(きょうこつ)

主な出身地:井戸

鳥山石燕著『今昔百鬼拾遺』に
「は井中の白骨なり。世の諺に甚だしき事をきやうこつといふも、このうらみのはなはだしきよりいふならん。」
と記されている。

井戸はこの世とあの世の出入り口とされており、
井戸で死んだ者があの世とこの世の境をさ迷い現れるのが狂骨であるとされ、
狂骨に憑かれると激しく人を恨むようになるといわれている。

肉の削げ落ちた白骨を
「きょうこつ(漢字はきょうは骨の右に尭でこつは骨)」
と呼ぶことや、神奈川県津久井郡
――現在の相模原市の方言に
「はげしい」「けたたましい」の意味で
「きょーこつ」
という言葉があるということから、
言葉遊びから石燕の創作した妖怪といわれる。
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2025年01月30日

とりあえず、鎌鼬

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鎌鼬(かまいたち)

主な出身地:全国

鎌のように鋭い爪を持つ鼬の姿で描かれる、
風に乗って人を切る妖怪で各地の山間部によく現れる。

「窮奇」
「構太刀」とも書く。

鋭い爪のために切られても痛みがないといわれているが、
地方によっては三人の神様であるともいわれており、
一人目が突っかかり、
二人目が切り裂き、
三人目が薬を塗るために痛みがないという。

また鬼神の刃に当たったために切れたものだともいわれており、
そのために「構太刀」とも書く。

「窮奇(きゅうき)」は中国の神話に出てくる怪物で四凶の一つといわれている。

鎌鼬が窮奇と表記された理由はよくわからないが、
一説には窮奇が風神の一種であると伝えられ、
同一視されたのではないかといわれている。
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とりあえず、狼の送り火

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狼の送り火(おおかみのおくりび)

主な出身地:岐阜

美濃国
――現在の岐阜県の長良川の下流域に伝わる怪火。

夜更けに堤防のあたりにでるといわれ、
家まで送り届けてくれるという。

もし恐れたり、途中で転んでしまうと、
火が圧し掛かり、かみ殺されてしまうといわれている。

怪火は伴わないが、同様の怪異に
「送り犬」
「送り狼」
がある。
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2025年01月29日

とりあえず、柄長くれ

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柄長くれ(えながくれ)

主な出身地:愛媛

愛媛県北宇和郡に伝わる舟幽霊の類。

柄長とは柄杓のことで、
柄長をくれと海中から姿を現すといわれている。
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とりあえず、牛鬼

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牛鬼(うしおに)

主な出身地:四国近畿山陰九州、愛媛、島根、鳥取

「ゴキ」「ギュウキ」とも呼ばれる、
頭は牛で体は鬼、もしくはその逆、
または体が土蜘蛛で描かれることのある妖怪。

四国近畿地方では関連のある滝や淵があり、
そこの牛鬼は出会うだけで人を病気にしたり、
人の影を舐めるだけで喰い殺したりするという。

山陰九州地方では海から現れ、
磯女や濡女とセット、もしくは自ら女の姿に化けて出るといわれ、
女が赤ん坊を抱いて欲しいと差し出してくるが、
受け取ってしまうとどんどん重くなり動けなくなり、
そこに牛鬼が現れ喰われてしまうという。

愛媛県宇和島では、
牛鬼を退治したという様々な説話から、
毎年牛鬼まつりがおこなわれている。

島根県や鳥取県では蓑や笠に纏わりつき、
払っても次から次へ前も見えなくらい取り付いてくる怪火も牛鬼と呼んだという。
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2025年01月28日

とりあえず、犬神

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犬神(いぬがみ)

主な出身地:四国

主に四国に伝わる憑物で、
九州や沖縄では「インガメ」、
中国では「犬外道」と呼ぶ。

犬神は家に憑くこともあり、
犬神をつかう家を「犬神筋」と呼び、代々女ばかり、
娘が十五になったときに伝えるという。

憑かれると様々な病気になり、犬のように行動し、
死ぬと身体に犬の歯形がついているという。

犬神は呪いの一種「蠱毒」の影響を受けているといわれ、
作る方法の一つに、獰猛な犬を戦わせ、残った一匹に魚を与えてから首を落とし、
残った魚を食うというものがある。

また犬を首を残して埋めて飢えさせて、
食べ物を置き集中したところで首をはね、
食べ物に食いつけば犬神になるともいわれている。

鳥山石燕著『画図百鬼夜行』では
白児(しらちご)というものと一緒に描かれている。
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とりあえず、油すまし

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油すまし(あぶらすまし)

主な出身地:熊本

熊本県天草郡栖本村字河内と
下浦村を結ぶ草隅越という山道に昔出たと
『天草島民俗誌』という資料に記されている。

昔、ある老婆が孫と一緒に歩いているときに
この山道で油すましのことを思い出した。

そこで孫にここには油瓶を下げたのが出たんだぞと語ったところ、
今もいるぞと姿を現したという。

記されているのはこれだけで、
どのような妖怪であるのか、
何をするのかはわからない。

頭が大きく、
蓑をかぶった姿で描かれることが多いが、
これは水木しげる氏が描いた姿であり、
本当の姿はまったく異なるのかもしれない。
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2025年01月27日

とりあえず、わいら

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わいら

主な出身地:不明

鳥山石燕著『画図百鬼夜行』や
作者不詳の『化け物づくし』に描かれている妖怪だが、
詳しい説明は載っていない。

どのような妖怪で、どのような性質なのかも不明であるが、
山の精ともいわれており、山にしか現れず、
平地には出てこないという。

前足は二本で、一本ずつ鎌のような爪を持っており、
犀のようであるともいわれている。

雄は土色、雌は赤色をしている。
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とりあえず、轆轤首

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轆轤首・ろくろ首(ろくろくび)

主な出身地:全国各地

「抜け首」「飛頭蛮」とも呼ばれることがあるが、
先の二つは首がとれて空を飛ぶものを呼ことが多く、
ろくろ首は一般的には首が長く伸びる人間をいうことが多い。

妖怪というより、
普通の人間がなることもあるというので、
一種の病なのかもしれない。

たいていは女であり、
昼間は極普通の人間として暮らし、
夜寝ている間だけ伸びることが多い。

喉のところに紫色の筋が必ずあるという。

人間や馬の精気を吸うものや、
虫を食うものもいるが、
基本的には害はなく、
ただ首が伸びるだけである。
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2025年01月26日

とりあえず、レブンエカシ

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レブンエカシ

主な出身地:北海道の海

アイヌ語で
「レブン」は「沖」を
「エカシ」は「長老」を意味し
「レブンエカシ」で「沖の長老」を意味する。

北海道南西部にある内浦湾
――噴火湾、胆振湾とも呼ばれる――
に棲むといわれている。

鯨を八匹飲み込んでしまうという大きさの怪物。

ある二人の猟師が「レブンエカシ」に飲み込まれてしまったが、
腹の中で火を焚いて焚き火をしたところ、
吐き出されて助かったという昔話が伝えられている。
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とりあえず、コシュンプ(ルルコシュンプ・イワコシュンプ)・コシンプ(ルルコシンプ・イワコシンプ)

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コシュンプ・コシンプ

主な出身地:北海道

北海道に伝わる獣の憑物で、
狐などの場合は山(いわ)コシュンプ、
アザラシなどの場合は浪(るる)コシュンプといい、
美女に化ける。

悪いコシュンプは悪事を働くが、
良いコシュンプは憑神となって幸せに導いてくれるという。

北見の斜里に「イペランケ」という女性がおり、
あるとき突然夫が虐待をするようになった。

イペランケは魔物の仕業だと思い、
試しに夜に待ち伏せしてみると、
夜遅くに訪れる者がいたので、
まさかりを下ろすと、女の片腕が落ちていた。

翌晩、夢にコシュンプが現れ、
夫は優しくなり一生不自由なく暮らせるが、
片腕の代償に夫を頂くと言い、
翌朝しまって置いた腕が消えていた。

夫は優しくなったが、
コシュンプに魅入られ若くして亡くなり、
コシュンプの言うとおりイペランケは一生不自由なく暮らしたと伝えられている。
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2025年01月25日

とりあえず、リン

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リン

主な出身地:佐賀

佐賀県東松浦郡玄海町花の木でいう人魂のこと。

立小便などをしていると寄ってきて、
体に入り込み、病気にするといわれている。

雨の日は新しい「リン」が出るといわれている。


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とりあえず、雷獣

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雷獣(らいじゅう)

主な出身地:不明

雷が落ちたところに出るという妖怪で、
猫のような姿をしていたり
、後ろ足に水かきがついているものがいたり、
中には狼のような姿で前足が二本で後ろ足が四本あるものもいるらしい。

栃木県にいた雷獣は山にいて、
夕立雲が出ると急に元気になり空を走り回るという。

また、雷が落ちると同時に雲に火の柱のようなものが登ったのを見た者が、
そこに雷獣がいるのを発見したという。

その姿は猫より大きく、腹は白かったという。

雷獣の好物はトウモロコシだという。

雷が落ちると狂人が出るらしいが、
その狂人にトウモロコシを食べさせると正気に戻るといわれている。
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2025年01月24日

とりあえず、夜雀

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夜雀(よすずめ)

主な出身地:高知、愛媛

高知や愛媛などに伝わる怪異で、
夜間に山道を歩いていると前後からチッチッチと雀のような鳴き声が聞こえてくる。

これに憑かれるのは不吉であるといわれており、
夜盲症になってしまうともいわれている。

夜雀が大量に現れるのは山犬が現れる前兆ともいわれているが、
逆に送り狼が帰り道を見守っている証であるという地域もある。

黒い我のような姿をしているといわれており、
懐に入り込まれると騒がしく歩くに歩けない状態にされてしまう。

除けるには
「チッチッチと鳴く鳥はミシギの棒が恋しいか。恋しくばパンと一撃ち」
とか
「チッチッチと鳴く鳥ははよ吹き給え伊勢の神風」
という呪文を唱えると良いともいわれている。
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とりあえず、雪女

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雪女(ゆきおんな)

主な出身地:雪が降る日本各地

山形県では「雪女郎」
新潟県では「雪姉サ」
宮城県では「雪バンバ」
長野県諏訪地方では「シッケンケン」
愛媛県宇和地方では「雪ンバ」
宮崎県では「雪バジョ」と、
地方によって様々に呼ばれているように、
全国各地に伝わる妖怪である。

新潟県南魚沼では吹雪の後に凍死した者がでると雪女にやられたというが、
各地でも雪によって死んだ人が出ると雪女の仕業とされていたようだ。

もし雪山で出会った場合だが、
各地によって対処方法が異なってくるようで、
言葉を交わしてはいけないとか、
逆に声を掛けられたら返事をしないと谷底に落とされるとか、

子供を抱いており、
その子を抱いて欲しいと声を掛けられ、
抱かないと殺されてしまうとか様々に伝えられている。

小泉八雲の『怪談』に記されている
「雪女」の舞台は東京都の青梅と云われており、
人間との間に十人の子を授かったと云われている。
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2025年01月23日

とりあえず、ヤカンヅル

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ヤカンヅル

主な出身地:長野

長野県に伝わる怪異で、
夜遅くに森を歩いていると木の上から薬缶が下がってくる。

高知県に伝わる茶袋と同種の妖怪である。

薬缶が下りてくるが特に害はないともいわれているが、
目にすると病にかかるともいわれている。

また喉が渇いたときなどに薬缶が下がってくることもあるようで、
その場合は中に甘い味がする水が入っているという。

水木しげる著『ゲゲゲの鬼太郎』でのヤカンヅルは
大きな口のみの頭を持つ四足歩行をするかばの様な姿で描かれており、
何でも掃除機のように吸い込んでしまう妖怪として描かれている。
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とりあえず、目々連

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目々連(もくもくれん)

主な出身地:不明

鳥山石燕著『今昔百鬼拾遺』に紹介される妖怪で、
障子にたくさんの目玉が現れた姿で描かれる。

碁盤に注がれる碁打師の目の念が障子に憑いたものであるといわれており、
碁打師の住んでいた廃屋に現れるようだ。

山田野理夫著『東北怪談の旅』に江戸の材木商人が宿代を浮かせようと空き家に泊まったところ、
障子に無数の目が現れたという話がある。

商人は驚きもせず、それらを獲って眼科医に売り払ってしまったという。

これも目々連の一種ともいわれているが、
似たような話に目々連の名前を当てはめただけだともいわれている。
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2025年01月22日

とりあえず、面霊気

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面霊気(めんれいき)

主な出身地:不明

鳥山石燕著『画図百器徒然袋』に
「聖徳太子の時、秦の川勝あまたの仮面を製せしよし。かく生けるがごとくなるは、川勝のたくめる仮面にやあらんと、夢心におもひぬ。」
と記されている。

秦川勝(はたのかわかつ)は聖徳太子の臣で、
広隆寺を建立したことで知られ、猿楽の租と仰がれる人物である。

聖徳太子が川勝に六十六番の物まねをさせ、
太子自ら六十六の仮面を作り、送ったという。

この話から石燕が創作した妖怪であるといわれるが、
仮面はある種の霊力を持つものとされ、
三つ四つ集まると
――三つか四つでないといけないらしい――
話し始めることがあると
水木しげる著『図説日本妖怪大鑑』にある。
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とりあえず、貉

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貉(むじな)

主な出身地:全国各地

年を経た動物は化けるといわれているが、
貉もその一つ。

貉は「アナグマ」の別称ともいわれているが、
狸と貉を同一視していたとも言われているため、
各地で有名な狸の名前も貉になっていることもある。

小泉八雲著『怪談』「むじな」では「貉」の姿はなく「のっぺらぼう」が出てくる。

「のっぺらぼう」の正体が「むじな」なのかもしれないが、
物語の中では言及されていない。
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