シズカモチ
主な出身地:栃木県
「静か餅」と表記し、
栃木県益子地域に伝わる怪異で夜になると遠方から餅の粉をはたくような音が聞こえてくる。
別名「隠れ里の米搗き」といい、
聞こえる人と聞こえない人がおり、
聞こえた人は長者になるといわれている。
音が近づくことを餅に搗き込まれる、
遠ざかるのを搗き出されるといい、
搗き込まれれば運が向き、
箕を後ろ手に出せば財産が入るといわれているが、
搗き出されれば運が衰えるという。
同様の怪異にアイヌに「粟搗き音」がある。
炉端で寝ていると
地中から粟を搗く音が聞こえてくることがあり、
その年は豊作になるという。
戸外から聞こえてくることもあり、
臼に綿を入れて搗く音のときは豊作だが、
空臼を搗く音だと冷害により不作になるといわれている。