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2023年08月31日

とりあえず、芝右衛門狸

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芝右衛門狸

主な出身地:兵庫県、徳島県

兵庫県や徳島県に伝わる狸で
『桃山人夜話 絵本百物語』
の記述は次の通りである。

芝右衛門という百姓がおり、
よくそこへ古狸が残飯を貰いに来ており、
哀れに思った芝右衛門はわざわざ飯を狸のために残してやっていた。

あくる日、
芝右衛門が狸に人に化けて来てみろと言ったところ、
五十過ぎの老人に化けてきた。

狸は古代に詳しく、
話を聞いてた芝右衛門は物知りになり、
皆にもてはやされるようになった。

その頃、難波
――現在の大阪から「竹田出雲」という芝居が十日ばかり興行に来ており、
老人に化けた狸も芝居を見物しに行ったが、
帰り道に運悪く犬に噛まれ死んでしまった。

死後半月たっても人間のままだったが、
二十四五日して遂に古狸の姿に戻ったという。
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2023年08月14日

とりあえず、夜行さん

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夜行さん

主な出身地:徳島、高知、他全国各地

髭の生えた一つ目の鬼であるといわれており、
徳島県では節分の夜に食事のおかずのことを話していると、
毛の生えた手を伸ばしてくるという。

正月二月の子の日、
三月四月の午の日、
五月六月の巳の日、
七月八月の戌の日、
九月十月の未の日、
十一月十二月の辰の日は、
百鬼夜行日とされ妖怪が活動する日とされ、
その夜、夜行さんは首無し馬に乗って徘徊するといわれている。

出会うと投げられ蹴り殺されてしまうが、
草履を頭に載せ地に伏せれば助かるとされる。

高知県高岡郡越知町野老山辺りでは
「ヤギョー」
と呼ばれ、
姿は見えないが夜の山道を錫杖を鳴らして通るといわれている。

首無し馬の方が全国各地に伝わっており、
徳島県吉野川下流から香川県東部では首無し馬を夜行さんと呼んでいる。
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