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2023年07月31日

とりあえず、二口女

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二口女

主な出身地:全国各地

下総にとある継母がいたが、
先妻の子に飯をやらず自分の子だけに飯をやっていた。

ついに先妻の子は病気になり、
そのまま餓死してしまったがその四十九日、
薪割の仕事をしている男の鉞が継母の後頭部にぶつかり、
ぱっくりと口のように割れてしまった。

その傷がそのまま口になり絶えず痛むが、
食べ物を入れると痛みが治まったが、
後頭部の口は継母に謝れと言い続けたという。

また先妻の子を恨みながら餓死させ殺してしまうと、
二口女の子供が生まれてくるという。

髪の毛を蛇のように動かし、
器用に後頭部の口に食べ物を運ぶ。

後頭部の口はあることないことを言って苦しめるが、
やはり食べ物をやると静まるという。
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2023年07月11日

とりあえず、千千古

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千千古

主な出身地:不明

『太平百物語』に記されている怪異。

ある城下の大手前門の前に、
鞠のように丸い化け物「千千古」が現れ、
ふわふわと浮きながら上下左右に揺れ、
揺れるたびに奇妙な音を鳴らすということがあり、
人々の間で評判となった。

この噂を聞いた小河多助という若侍が正体を暴いてやろうと、
門の前で待ち伏せをした。

すると噂通りに「千千古」が現れたので、
刀で素早く斬ると手ごたえがあり「千千古」が地面に落ちたので、
飛び掛って捕まえ助けを呼び正体を見ると、
それは鈴が中に入っている正真正銘普通の鞠だったという。

何者かが悪戯で鞠に鈴を入れ、
縄を張って鞠を浮かせて、
驚かしていただけだとわかり、皆で大笑いしたという。
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