お菊虫
主な出身地:兵庫・奈良他
お菊という女性が想いを残して
死んだ後に虫となったといわれる妖虫で、
有名なところでは番町皿屋敷のお菊だろう。
十枚ある大事な皿を一枚割ってしまい、
身を投げたお菊が幽霊となって毎夜皿を数え続けるという話だが、
その井戸から妖虫が出てきたという。
人々はお菊の怨念だと噂し恐怖した。
また大和北葛城郡に伝わるお菊虫の話もある。
貧しい家に育ったお菊が、
米倉に侵入し米を盗もうとしたが見つかり逃走するが、
隠れた樫の木にて見つかり、突き殺された。
その後、その樫の木に櫛の形をした蛍のように光る妖虫が沸き、
その村より上流には現れなかったことからお菊の怨念が虫に憑いたのだと皆噂したという。