清姫
『元亨釈書』や
『今昔物語』などにも
収められているほど有名な物語である。
奥州白川に安珍という修行僧がいた。
安珍は毎年、紀州の熊野権現に参詣していて、
宿を真砂庄司の家に定めていた。
その庄司の娘が清姫で、
安珍は修行僧のために妻帯は難しい身でありながら、
清姫を嫁にもらうと誓い、
清姫は美男である安珍にのぼせ上がった。
だが安珍はごまかし逃げてしまったのだが、
清姫は蛇体になりながらも安珍を追いかけた。
道成寺に逃げ込み、鐘の中に隠れた安珍だが、
清姫はその鐘をその身で七巻きし、
炎で焼き尽くしてしまったという。