人面犬
平成の時代になって話題になった
都市伝説の一つで有名な妖怪で、
ごみを漁っている犬を追い払おうとすると
おじさんのような人面を向けて
「ほっといてくれ」
などと言い去っていくという。
時速八十キロで走るとか、
六メートル以上のジャンプができるなどといわれている。
遺伝子実験で生まれたなどと噂があったが、
文化七年の江戸に人面犬がいたという話がある。
江戸田所町
――現在の中央区日本橋堀留町の
紺屋の裏で牝犬が三匹の子犬を産み、
そのうち一匹が人の顔をした犬だったという。
興行師が見世物にして繁盛したが程なくして死に、
三四日は線香を焚いて興行していたという。
当時梅毒患者が牝犬と性交すると治癒するという迷信があり、
その結果生まれたのが人面犬だと噂されていたという。