白溶裔
主な出身地:不明
廃屋や空き家に潜んでいることが多いという妖怪で、
汚れたまま放置し悪臭を放つようになった雑巾が白溶裔になるといわれているが、
山田野理夫著『東北怪談の旅』に
紹介されている古雑巾の妖怪の話を白溶裔にあてはめただけであり、
実際は石燕の創作した妖怪のひとつである。
鳥山石燕著『画図百器徒然袋』に
「白うるりは徒然のならいなるよし。
この白うねりはふるき布巾のばけたるものなれども、
外にならいもやはべると、夢のうちにおもひぬ」
とある。
吉田兼好著『徒然草』第六十段に
芋頭が異常に好きな盛親僧都(じょうしんそうず)の話があり、
彼がある僧につけたあだ名が
「しろうるり」―古来よりよくわらかない名のことで、
溶裔は風にしたがってなびくさまをいい、
そこから「白溶裔」と名前をつけたとある。