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2022年06月30日

とりあえず、朱の盆

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朱の盆

主な出身地:福島および岐阜あたり

奥州の諏訪の宮を訪れた若侍はこの怪物が出るという話を聞いていたので、
夕暮れ、こわごわと歩いていると先に同じような若侍が歩いている。

いい道連れが出来たと追いつき、共に行くことにしたが、会話の途中、
ここに怪物が出るという話をするとそれが、
顔一面朱を塗ったかのように真っ赤で、目の色は血の如く、
口は耳まで裂け、髪は針のように鋭く、一本の角を生やした姿に変わった。

若侍は恐怖で気を失ったが半時ほどしてから目を覚ましたときには
それはもう居らず、急いでに家に逃げ帰った。

若侍の様子がおかしいので女房が心配してくれたので、
先ほどの話をすると、女房もその朱の盆に変化し、
若侍は恐怖で死んでしまったという。

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2022年06月29日

とりあえず、舌長婆

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舌長姥

主な出身地:岐阜あたり

三坂春編(みさかはるよし)著『老媼茶話(ろうおうさわ)』にある老婆の妖怪。

越後から武蔵
――現在の新潟県から東京都へ向かう二人の旅人が、
諏訪千本松原という所まで来たとき日が暮れ、
近くで一人暮らしをしている老婆の家に泊まらせてもらった。

一人はすぐ寝入り、もう一人は用心のため寝たふりをしていると、
老婆の舌が五尺ほどの長さに伸び、寝ている旅人の顔を舐め始めた。

薄気味悪く思っていると
「舌長姥、諏訪の朱の盆じゃ、捗らぬなら手伝ってやろう」
と声がし、戸を破り、顔の長さ六尺の赤い怪物が入ってきた。

旅人が刀で斬ると朱の盆は消え、
舌長姥は寝ている旅人を抱えて駆け出し、
途端に家が消えて野原が広がるばかり、
日が明けてから辺りを捜すと、そこには連れの骸骨が転がっていたという。
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2022年06月26日

とりあえず、川蛍

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川蛍

主な出身地:千葉

『利根川図志』にある怪火で、
千葉県印旛沼に現れた火の玉で、陰火のため熱くはない。

「亡者の陰火」とも呼ばれる。

夏から秋の夜、特に雨が降る日によく出る。

蛍の火に似た光を放ち、蹴鞠ほどの大きさの火の玉で、
水上から一二尺ほどの高さを、ふらふらと飛び、
高く飛んだり低く飛んだり、数多く現れ集まったり離れたりを繰り返したりするという。

夜に印旛沼で量をすると、
舟の中に入ることもあり、船棹で叩くと砕け広がり、
一面火の海になるが、燃え移ることはないという。

自然に消えるが、油のようなものが舟につき、
生臭く、なかなか落ちないという。

狸や鼬の仕業ともいわれている。

同種の怪火に新潟県の「蓑虫」、
滋賀県の「蓑火」などがある。

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2022年06月25日

とりあえず、神社姫

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神社姫

主な出身地:長崎や佐賀の浜辺

人魚の類で文政二年の四月十九日に肥前
――現在の長崎県から佐賀県の浜辺に現れたという。

大きさは二丈ほどで人の顔をしており、頭に角を生やしている。

竜宮の使いであると名乗り、当年より七年は豊作だが、
虎狼痢(ころり)
――つまりコレラが流行ると予言したという。

災難を免れるには、神社姫の姿を写したものを見れば良いと伝え、
さらに長寿になれると言ったといわれている。

人魚の姿であり予言をすることから
「アマビエ」と同類の妖怪であるともいわれている。

当時は似た妖怪の話が流行していたといわれており
「クタベ」は「神社姫」から好事家が作った話であるともいわれている。
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2022年06月24日

とりあえず、アマビエ

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アマビエ

主な出身地:熊本および全国各地

弘化三年の四月中旬ごろ、
肥後――現在の熊本県の海中に現れた妖怪。

体は光り輝くのか毎夜海を照らしており、
それにより役人が海を調べに出て見つけたという。

髪は長くくちばしを持つ人魚のような姿をしており、言葉を話す。

自分のことをアマビエと呼び
「当年より六ヶ月豊作が続く」
と予言をした後
「もし流行病が流行ったら自分の姿を写したものを見せるといい」
と言って海中へと消えていった。

後に瓦版を通じて、
このアマビエの姿を写したものが伝えられたという。

このアマビエはアマビコの
「コ」が「エ」と見えたことから、
間違えて伝えられてしまったといわれている。
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2022年06月23日

とりあえず、塗壁

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塗壁

主な出身地:福岡他全国各地

福岡県遠賀(おんが)郡の海岸地方に出たといわれており、
夜道を歩いていると突然目の前に壁のようなものが現れて、
進めなくなってしまうのだが、
下を棒で払うと消えて進めるようになるといわれている。

また、姿は見えないが突然前に進めなくなるという現象も
塗壁の仕業だといわれており、
その場合は一服したりして少し休むと、
再び前に進めるようになるという。

姿は壁のようなものに目や足がついてる姿が一般的だが、
近年発見された妖怪絵巻に、
目が三つある犬のような姿をしたぬりかべが描かれているのがわかった。

だが伝承の塗壁と絵巻のぬりかべが同じ妖怪かははっきりとしていない。
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2022年06月22日

とりあえず、不落々々

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不落々々

主な出身地:不明

鳥山石燕著『画図百器徒然袋』に紹介されている
提灯の妖怪で
「山田もる提灯の人は見ゆれども、
 まことは蘭ぎくにかくれすむ狐火なるべしと、
 ゆめのうちにおもひぬ」
とある。

提灯の火かと思えば実体は狐火ということだが、
一般的に提灯お化けとして紹介されることが多く、
『画図百器徒然袋』
の一つなのだから、それが妥当だという意見もある。
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2022年06月21日

とりあえず、そんつる

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そんつる

主な出身地:鳥取県

伯耆国
――現在の鳥取県に伝わる憑物で「そんながい」ともいう。

つるは系統という意味で、
憑物を飼う家をそんつるという。

憑物は、蛇のようなものともミミズのようなものともいわれるが、
姿は見えないとされる。

その憑物は皮膚と肉の間に入り込み、
害をなすといわれている。

憑かれている人に
「貴様の体はどうした」
と聞くと、憑物が
「どこそこのお茶の木の下の陰に置いてきた」
とか
「藪の中にある」
などと答えるといわれている。

同類の憑物に「当廟」「土瓶神」などがある。
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2022年06月20日

とりあえず、算盤小僧

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算盤坊主


主な出身地:京都
丹波国南桑田郡西別院村笑路
――現在の京都府亀岡市の西光寺にある
一本の榧の木の傍を夜中に通ると現れる妖怪で、
坊主のような男がさかんに算盤をはじく様な音を鳴らすという。

「算盤小僧」とも呼ばれる。

昔小坊主の一人が勘定の計算を間違い、
和尚に罵られた事からこの木で首を吊ったといわれており、
それから出るようになったといわれている。

狸の仕業ともいわれている。

西光寺の隣、素戔嗚神社でも、
毎晩一時頃になると木の下で
算盤の稽古をする少年が現れるともいわれている。

寺の開祖である山萬安英種が幼少の頃に、
人知れず勉学に励んでおり、
その姿が現れたものだといわれている。
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2022年06月19日

とりあえず、履物の化物

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履物の化け物

主な出身地:宮城他全国各地

越前寒風沢にある町では夜になると「鼻が痛い」と声に出して歩くものがいる。

ある日ある若者が
「古蓑、古笠、古太鼓、続いて古下駄、古割籠、どんどんぱきぱきばっさばさ」
と歌って踊っているような声を聞いた。

「今夜は不思議な夜だから止めろ止めろ」
という声がすると途端静かになった。

翌日その場所を覗いてみると古くなり捨てられた道具たちがそこにあり、
鼻の切れた古下駄もそこにあったので
「鼻が痛い」
と言っていたのはこれの仕業かと全て焼き捨てたところ、
声はしなくなったという。

佐々木嬉善著『聴耳草紙』に物置に投げ捨てられた履物が
「カラリンコロリンまなぐ三つに歯二ん枚」
と毎晩歌っては、物置へと帰る話が紹介されている。

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2022年06月18日

とりあえず、塵塚怪王

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塵塚怪王

主な出身地:不明

鳥山石燕著『画図百器徒然袋』にて
櫃を開ける鬼の姿で描かれている妖怪で、
塵塚とはごみためのことであり、
塵が積もり妖怪となったのが塵塚怪王である。

『画図百器徒然袋』にはこう書かれている。

「それ森羅万象およそかたちをなせるものに、
 長たるものなきことなし。
 麟は獣の長、鳳は禽の長たるよしなれば、
 このちりづか怪王はちりつもりてなれる山姥とうの長なるべしと、
 夢のうちにおもいひぬ」

吉田兼好著『徒然草』に
「多くて見苦しからめは、文庫の文。塵塚の塵」
という一文があり、
そこから鳥山石燕が
文車妖妃、
塵塚怪王
を創作したという説もある。
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2022年06月16日

とりあえず、縊鬼

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縊れ鬼

主な出身地:東京麹町他

縊鬼(いつき)とも呼ばれる鬼で、
これに憑かれると首を括りたくなるという。

鈴木桃野著『反古のうらがき』に以下のような話がある。

江戸の麹町で某組合が酒宴を開いていたが、
いつも来る落語をする者が来ず、
来たと思えば喰違門(くいちがいもん)で約束があると言い、
帰ろうとするので訳を聞くと、
首を括らなければいけないと言った。

組頭は酒を飲ませて落ち着かせたところ、
しばらくすると誰かが喰違門で首を括ったと騒ぎになり、
組頭はこれで縊れ鬼が落ちたと言ったという。

男は、そこで誰かに首を括れと言われ、
どうしてか断れないので、
組頭に断ってから首を括ろうとしていたという。
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2022年06月15日

とりあえず、三吉鬼

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三吉鬼

主な出身地:秋田を中心とした東北地方

秋田県などの東北地方に伝わる妖怪。

大酒のみで、人里に降りてきては酒屋に入り、
大量の酒を飲むという。

代金を支払わずに出て行ってしまうが、
そのときに代金を請求すると仇をなすという。

だが黙っていると代金の十倍の薪を入り口に置いていくといわれている。

また一人でできない仕事を、
酒を供えて願掛けすると、一晩のうちに終わらせてくれるという。

三吉鬼は三吉様という鬼神のことだともいわれており、
秋田県では噂をするだけで三吉様のお叱りをうけてしまうともいわれている。

三吉様は荒ぶる神だが困っている者や弱者に優しい神だという。

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2022年06月12日

とりあえず、板鬼

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板鬼
主な出身地:不明

『今昔物語集』に登場する妖怪だが、
板の妖怪なのか鬼が化けたものかはわからない。

ある夏、二人の侍が宿直をしており、
中では五人の侍が眠っていた。

二人の侍は太刀を持ち話しながら夜遅くまで寝ずの番をしていた。

ふと東の建物の上から板が突き出しているのに気がつき、
見ているとそれは七八尺ほどばかり伸びてひらひらと二人のところへ飛んできた。

二人は太刀を構え近づいたら切り伏せようとしたが、
板は格子から中に入っていってしまった。

二人が中に入ってみると、
板は外に出た気配もないのに中にはいなく、
五人の侍は潰され殺されていたという。

ここから侍は如何なるときも刀を持つのを
忘れてはいけないといわれるようになったという。
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2022年06月11日

とりあえず、家鳴り

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家鳴り

主な出身地:全国各地

誰も居ないし、風もない、
地震でもないのに家具や窓、
ドアなどが揺れたり飛び回ったりする現象を
外国ではポルターガイスト現象というが、
日本のポルターガイストといえるのが家鳴りである。

家鳴りの正体は小鬼のようなものであるといわれ、
この小鬼が障子や襖を揺らすのだといわれている。

中には地震でも起きたかと思えるほどの揺れで家全体を揺らすものもいる。

武家屋敷や農家に多いようで、
やはり新しい家屋より旧い家屋の方が揺らしやすいのか、
潜みやすいのか。

近年も欠陥住宅が問題になることがあるが、
家鳴りは人間が生み出した鬼なのかもしれない。
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2022年06月05日

とりあえず、白溶裔

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白溶裔

主な出身地:不明

廃屋や空き家に潜んでいることが多いという妖怪で、
汚れたまま放置し悪臭を放つようになった雑巾が白溶裔になるといわれているが、
山田野理夫著『東北怪談の旅』に
紹介されている古雑巾の妖怪の話を白溶裔にあてはめただけであり、
実際は石燕の創作した妖怪のひとつである。

鳥山石燕著『画図百器徒然袋』に
「白うるりは徒然のならいなるよし。
 この白うねりはふるき布巾のばけたるものなれども、
 外にならいもやはべると、夢のうちにおもひぬ」
とある。

吉田兼好著『徒然草』第六十段に
芋頭が異常に好きな盛親僧都(じょうしんそうず)の話があり、
彼がある僧につけたあだ名が
「しろうるり」―古来よりよくわらかない名のことで、
溶裔は風にしたがってなびくさまをいい、
そこから「白溶裔」と名前をつけたとある。
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2022年06月04日

とりあえず、遣ろか水

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遣ろか水

主な出身地:愛知や岐阜の木曽川

尾張や美濃にて、木曽川に伝わる怪異である。

大雨の後に川上から
「やろうか、やろうか」
と声が聞こえてくる。

もしこの声に反応して
「よこさばよこせ」
などと言ってしまうとたちまち川は溢れ、
あたり一面海のようになってしまうという。

木曽の与川の川上に百人の樵が仕事をしていたが、
山姫様の夢のお告げでせめて杉林だけは残して欲しいとあった。

樵たちはそれでも伐採をしたが、
すると「行くぞ行くぞ」と声がする。

これるものならこいと一同で返事をすると、
突然山が崩れ残らず押し流されてしまったという。
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2022年06月03日

とりあえず、畳叩き

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畳叩き

主な出身地:高知、和歌山、広島、山口

高知や和歌山、広島、山口に伝わる別名バタバタとも呼ばれる音の怪異で、
狸の仕業とも、石の精の仕業ともいわれている。

広島では冬の夜、
それも北風が吹き出す頃にこの音が聞こえることが多いといい、
その地域にはバタバタ石と呼ばれる石があるという。

ある男が石から小人のようなものが出てきて音を出すところを見たので、
捕まえようとするが石の中へ隠れてしまった。

その石を家に持ち帰ったところ、
顔に石と同じくらいの痣が出来、
石の祟りと思った男は石を元の場所に戻したところ、
痣は消えたという。

また、『筆のすさび』という書に、
屋根の上や庭で音がするので正体を確かめようとしたが、
七八間に渡って音が聞こえることがわかっただけで、
正体はわからなかったという話もある。
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2022年06月02日

とりあえず、トイレの花子さん

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トイレの花子さん

主な出身地:全国各地の学校のトイレ

学校の怪談の一つ。

学校の女子トイレの個室を三回ノックし
「花子さん」と呼ぶと現れるといわれ、
他に、
三階のトイレ、個室の場所が三番目、
三回まわる、三回呼ぶなど、
「三」が共通点となっているようだ。

姿形は主に、
おかっぱ頭の女の子で、
で赤い服もしくは赤い着物と伝わるが、
人形を抱えている、白い手だけ、声のみなど、様々である。

正体は、空襲やいじめ、
狂った親が原因で、
女子トイレで死んだ、
女の子の幽霊とする場合が多く、
三つ首の大トカゲとする地域もあるという。

現れるのは、脅かすだけ、
一緒に遊びたいだけともいわれるが、
異界に連れて行かれる、
殺されるなどともいわれている。

「花子さん」の男子トイレ版に
「トイレの太郎さん」
がいるという。

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2022年06月01日

とりあえず、口裂け女

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口裂け女

主な出身地:全国各地

都市伝説で有名な妖怪。

赤いコートを着たマスクをした美女が
「私綺麗?」
と聞いてくるので答えると、マスクをはずす。

そこには耳まで裂けた口があり
「これでも?」
と聞いてくるというのが共通した話である。

その後食われてしまうとか、
同じように口を裂かれるとか顛末は様々ある。

この口裂け女は現代の妖怪と思われがちだが、
実は江戸にも出たことがあるという。

寛政の頃の新宿あたりにて、
坊主がお使いの帰り暗くなった頃、雨が降ってきた。

前を見るとずぶ濡れの女性が歩いているので
傘に入れようと声をかけると口裂け女だったという。
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