
苦笑
主な出身地:不明
松井文庫蔵の『百鬼夜行絵巻』に
描かれている苦笑いのような表情をした妖怪。
国書刊行会『妖怪図巻』によれば、
苦笑いから邪(よこしま)、外道とつなげ、
人でなしや畜生という意味から、
人とも獣ともつかない姿で描いているのだろうかとしている。
水木しげる著『図説日本妖怪大鑑』によれば、
人が不機嫌なときや不快なときや面白くないときに現れるとある。
そのような者に毒舌や苦々しい物言いを吐き、
憎まれるのを好む妖怪であるという。
その手には毒を持つといい、
掴まれると小動物は動けなくなってしまい、
また爪は苦く、料理に触れるとたちまち不味くなってしまうという。
時にはその毒を使い、
腹痛を撫でただけで治してしまうこともあるという。