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2022年05月21日

とりあえず、小豆はかり

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小豆はかり

主な出身地:東京

東京都麻布のとある武士の家に起きた怪異。

姿は見えず、音だけの妖怪である。

眠っていたり静かにしていると天井をドシドシと
歩く音が聞こえたかと思うと、
パラパラと小豆を撒く音がするという。

音は次第に一斗
――約18リットルほどの小豆を撒くような音にまで大きくなる。

また庭の飛び石を下駄で歩く音や、
手水鉢で手を洗う音などが聞こえてくるが、
障子を開けて外を見てもそこには何もいない。

ときおり紙くずや土ぼこりを天井から落とすこともあるが、
それ以外悪さはしないという。
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とりあえず、小豆洗い

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小豆洗い

主な出身地:島根他全国各地

川や井戸で小豆を研ぐような音をたてる妖怪で、
中には
「小豆を研ごうか、人とって食おうかしょきしょき」
と歌うのもいるという。

歌うだけで人を食らうことはほとんどないが、
島根県出雲のは人を取ることもあるという。

狐狸や川獺、狢や蝦蟇が
正体であるともいわれているが、
中には殺された人の幽霊が
小豆洗いになるということもあるらしい。

法華寺の小僧は小豆の数を正確に当てるという才を持っており、
住職も跡を譲ろうと思っていたが、
それに嫉妬した同宿の円海は小僧を殺して井戸の中に沈めて事故死に見せた。

その後井戸に小僧の幽霊が現れ、
小豆を投げたり、
数えたりして皆を怯えさせ、
円海の所業はばれ死罪となったと、
多田克己編『竹原春泉 絵本百物語―桃山人夜話―』にある。

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