
ちんちろり
主な出身地:山口
『岩邑怪談録』「加藤氏、変化に逢ふ事」
にある妖怪で、
名前も詳細も「ちんちろり」という言葉も不明だが、
妖怪名として使われることが多いので、
ここでも「ちんちろり」と表記する。
山口県岩国に住む加藤某という男が
西宇治から帰宅する途中の道祖峠を越える頃、
後ろから小坊主がついて来て「加藤殿はちんちろり」と言った。
剛胆な性格であった加藤某は
「そういう者こそちんちろり」
と言い返し、お互いに言い合いながら加藤某の家へとついた。
加藤某が中に入り門を閉めると、
小坊主は門の屋根の上に現れ笑いながら
「さても強いものじゃ」
と言い、消えたという。
それから岩国では人に負けじと言い返すときに
「そういう者こそちんちろり」
というようになったという。