飯笥
主な出身地:沖縄
「妖怪」「妖精」「お化け」を
沖縄では「マジムン」といい、
飯笥(みしげー)−―杓文字のこと――が、
鍋笥(なびけー)――杓子のこと――などと共に
夜中に騒いでいたという話がある。
夜中に蛇皮線の音がにぎやかに聞こえてきて、
覗いてみると男女が騒いでいる。
楽しそうだったので一緒に混ざって騒いだが、
夜明け近くに疲れて寝たところ、
起きたときにはそこは床下であり、
散乱した飯笥や鍋笥の中にいたという。
飯笥は牛にもなるようで、
牛舎に連れて行き放っておくと、
朝になり藁の上には飯笥だけが残されていたという。
また、白豚の幽霊になったり、
魚になって流しから逃げ出したりと、
色々なものに化けるようだ。