青行燈
『今昔百鬼拾遺』に百物語の際に最後の灯が消され、
漆黒の闇になる際に、青行燈が現れることがあると書かれている。
百物語とは行灯の中に百の灯芯(現在では百本のろうそくが一般的)を灯し、
怪談話をして一つ終わるごとに灯を一つ消していくという怪談会である。
百本目が消え、漆黒の闇が訪れる際に、
または鬼の話をすれば、本物の怪異に見舞われるとも云われている。
『今昔百鬼拾遺』が描かれた時代は
行灯に青い紙が貼られるのが一般的だったようだ。
『怪談老の杖』では厩橋―現在の群馬県前橋市にて百物語が行われた際に、
首をくくった十八、九くらいの女性の死骸が現れ、
夜が明けてもそれはなかなか消えなかったという。