
御睦大善神(おむつだいぜんしん)
徳島県徳島市寺町に祀られれている化け狸で
「お六つ大明神」
とも呼ばれている。
その祠は日本で一番壮麗であり、
また最も信仰が厚いともいわれていた。
油揚げや、赤色の小田原提灯を奉献し、
参拝すると、運がよくなるとか、
商売が繁盛するとかいわれ、
毎日のように人で溢れていたという。
だが由来は定かではなく、三つの説がある。
一つは、
妙長寺の南手に棒寺があり、
古くから狸を祀った祠があったが取り壊すことになり、
妙長寺が譲り受け、今の所に改めて祀り、その御利益を宣伝した、
という説。
二つは、
この付近に巨大な松があり、
そこに棲む多くの狸の頭が「お六つ」という女狸で、
その悪行を鎮める為に祀った、
という説。
三つは、
美馬郡半田町
――現在のつるぎ町生まれのお松という狸が、
徳島が気に入り、移り住むことになり、それを祀った、
という説である。