
三日坊主(みっかぼうず)
森島中良著『画本纂怪興(えほんさんがいきょう)』にある妖怪。
国書刊行会刊『森島中良集』から解説を引用する。
「友ぞめき三日ぼうずといへる妖怪あり。
「清書(きよがき)の一度め小僧と姿を変じ、
たちまち秋風に乗じて天上せしを、目(ま)のあたりに見たる」
と、武部源蔵が記録に筆せり。
うそ吹〔き〕し虎より人のいやがるは三日坊主のおこす秋風 山鳥長男」
巨大な笠をかぶった小僧が
「清書せいし」と書かれた帳簿を手に、
雨の中を歩いている姿で描かれている。
「三日坊主」は
「すぐ飽きて三日も続かない人の事」。
「友ぞめき」は
「友と騒ぐ」。
「秋風」は秋を飽きに掛けて
「愛情がさめる」、
「うそ吹き」は
「動物が吠える」という意味。
吠える虎より、
三日坊主によって愛情が冷める方が皆嫌がる、
という事。
人を三日坊主にする妖怪なのだろう。