
品玉(しなだま)
森島中良著『画本纂怪興(えほんさんがいきょう)』にある妖怪。
国書刊行会刊『森島中良集』から解説を引用する。
「往昔(そのかみ)、玉のお袋、徳利子(とくりご)を産んとして空敷(むなしく)なる。
其亡魂(そのぼうこん)、浅草の奥山に出たるを、芥子之介といへる鳴呼(おこ)の者、
焼鎌(やひかま)をもつて泣落せば、忽豆粒(たちまちまめつぶ)と化して失けるとなり。
人の目を驚〔か〕してはとつくりと見届〔け〕られずはやけしの介 膝元さぐる」
「品玉」とは所謂ジャグリングのこと。
浅草の大道芸人「東芥子之助」が品玉で豆や徳利を使っていたという。