
撞木娘(しゅもくむすめ)
多田克己編国書刊行会刊『江戸妖怪かるた』の解説から引用すると
「「妖怪かるた」に必ずといってよいほど登場する化け物の筆頭であるが、
いかなる伝承や文献にもその名をとどめていない正体不明の妖怪」
とある。
『妖怪かるた』の「う」の項目にて
「うすい峠のしゅもくむすめ」
という形で出てくる。
「碓氷峠」は群馬県と長野県の堺にある、
旧中山道の峠であり、
「撞木」は鉦を打ち鳴らすT字の棒である。
かるたには女物の着物を着た
「シュモクザメ」の様な頭をした妖怪が、
飛び出して現れるような姿で描かれている。
撞木の化けたモノとも思われるが、
飛び出て脅かしているようにも見えるので、
顔を見せて驚かす類の妖怪なのかもしれない。