猫神(ねこがみ・ねこがめ)
猫の憑き物で使役する家もあったといわれ、
大分県では犬神よりも危険とされる。
生じさせる方法としては、
三毛猫を縛り付けて前に鰹節を置き、
七日間絶食させて、
首をはねるという、犬神と似た手法をとる。
「猫神」は水を苦手とするとされ、
憑かれた人を首だけ出して一昼夜水に浸からせたところ、
離れたということもあるという。
山口県では死んだ猫の横を通ると憑くといわれており
「猫神うつんな。親子じゃないぞ」
と呪文を唱えると免れるといわれている。
群馬県勢多郡城南村
――現在の前橋市にあったという
「猫山」の「猫観音」は、
蚕や繭を食べる鼠の害を防いでくれる他に、
猫の怪異を防ぐ霊験もあったという。