
山くじら(やまくじら)
滝沢馬琴著『鯨魚品尺革羽織』にある、
猪と鯨を合成したようなモノ。
「山鯨」とは「猪の肉」の事を指す。
口ばしは細く、牙は長いという、
一見普通の猪のようだが、長さが十六間もあるといわれる。
描かれている姿は、
上半身のみで前足が見えず、地面を這っているようにも見える。
鯨の様なヒレがついているのだろうか。
『鯨魚品尺革羽織』の「山くじら」の解説の終りに
「これをうるみせ。十二月廿日(はつか)ごろをきげんとす。
ゆへに廿日草になぞらへ。人よんでぼたんのすい物といふ。」
とある。
「ぼたん」は「猪肉」の呼び方の一つで
「ぼたんのすい物」は「猪肉の入った汁物」の事で、
「山くじら」の解説というより、
猪である「山鯨」の解説をしているように見える。